消化器内科での出来事。
大腸癌のターミナル期で、腹水貯留のため寝たきりになった患者さんがいました。
元からの性格か、呼吸苦や倦怠感もあるのか、言葉少ない方でした。
ある夜勤明けの日、検温に行くと、今までの無口さが嘘のように想いを吐露しはじめました。
2年目の私は情けないけど、ただただ話を聞くことしかできなかったんです。
それ以外に方法がわからなかったから。そんなことしか出来なかったから。
正直夜勤明けの検温時、話し込まれるのはこまると思ったけど想いを受け止めなきゃ。
そう思って聞いていました。
すると「あなたにしかこんなこと言えないんだ。」と…
信頼してもらえてるって、すごくうれしかった。
しかしながら、話を聞くだけしかできない自分がさらに情けなくなりました。
ターミナル期(余命6ヵ月以内)の人のためになにかしたいと思い始めたのがこのときでした。
その後すぐなくなってしまったけど… 何か役にたつことはできたのかな?
時々ふと思い出します。
患者さんの心の声を聞くだけしか出来なかった私を、信じて少しでも楽になって
もらえたのなら嬉しいです。
看護師でよかった。